Windows Vista ソフトウェアコンテスト
Windowsサイドバーガジェットについて
TEXT:塩田紳二
 
Windows サイドバーガジェットの概要
 Windows Vistaのサイドバーガジェットは、HTMLとJavaScriptを使ったミニアプリケーションの作成を可能にするものだ。より正確には、Internet Explorer(IE)と同じレンダリングエンジンを使ったWebアプリケーションが動作するのだが、IEのウィンドウ内での動作とは環境が若干違っている。基本的に、IEのウィンドウ内でできるようなことは、ほぼそのままサイドバーガジェットで行えると思ってよいだろう。

 いわばInternet Explorer 4.0で取り込まれたDHTMLやActive Desktopを洗練されたものにしたのがガジェットといってもよい。表示関係では、IE用のDHTMLがそのまま利用できる。

 なお、配布時に使われる“.gadget”ファイルは、ZIPまたはCAB形式である。このため、一般的な圧縮/解凍ツールを使って中身を見ることが可能だ。

 Windows Vista β2に標準でインストールされているサイドバーガジェットは

C:\Program Files\Windows Sidebar\gadgets

以下にあるので開発の参考にしてほしい。
Windows Vistaのサイドバーガジェット
Windows Vistaのサイドバーガジェット
開発に必要なソフトウェア
 現時点では、サイドバーガジェットを動かすことができるのはWindows Vistaのみなので、テストやデバッグにはWindows Vistaが必須となる。しかし、サイドバーガジェットを開発するだけならば、既存のWindows XP上でも行うことができるし、もちろん、Windows Vistaの上でも行うことができる。

 HTMLとJavaScriptを使うため、最低限の開発環境としてはテキスト編集ができればよい。ただし、Sサイドバーガジェット関連のドキュメントは、Vista用のWindows SDKに含まれている。このため、最低でもWindows Vista SDKのインストールが必要だろう。

 なお、このWindows Vista SDKだが、VistaのCTPリリースに合わせて3種類が現在入手可能である。Vista上で開発を行う場合、VistaのCTPバージョンに合わせて正しいものを入手する必要がある。なお、XP上で開発する場合には特に違いはないが、ほかの開発で利用する.NET Framewrok 3.0 Runtime(旧WinFX用Runtime)などと整合性を取る必要があるため、ほかの開発環境を考慮のうえ適切なバージョンのWindows Vista SDKをインストールする必要があるだろう。

 2006年8月末の段階では、Windows Vista β2を含めJune CTP、July CTPの3つのCTPリリースが存在し、それぞれに対応したSDKは下記の表のようになる。
Windows SDK
  ISO image Web Setup
RC1 Download Download
JuneCTP Download Download
JulyCTP Download Download
Windows Vista RC1公開に合わせてWindows SDKの最新版も公開されている。RC1関連モジュールが揃った段階で追記予定です。
 上記以外のCTPリリースを使う場合には、リリース名(June CTPなど)をキーにマイクロソフトのサイトで検索を行い、正しいWindows Vista SDKを入手する必要があるだろう。

 なお、CTPに関しては、限定されたベータテスターのみに配布が行われる場合もあるため、MSDNのサブスクライバーダウンロードサイトなどでも必ずしも入手可能であるとは限らない。また、CTPは英語版に関しては必ず用意されるものの、日本語版などほかの言語のものはリリースが行われるかどうかは確実ではなく、存在したとしても、配布が限定される場合もあるので注意されたい。

 また、インストール時にISOイメージファイルを使う場合には、ISOイメージファイルに対応したDVD/CDライティングソフトウェアが必要となる。また、記録型DVDドライブも必要である。ISOイメージファイルの書き込みに関しては、各ソフトウェアごとの問題なのでここでは解説しない。

 記録型DVDドライブがない場合には、Web Setupを使うか、ISOイメージファイルを直接ドライブとしてマウントするツールを使って内容をコピーした上でインストールを行う。これには、Virtual CD-ROM Control Panel for Windows XPを使う。
Virtual CD-ROM Control Panel for Windows XP
http://download.microsoft.com/download/7/b/6/7b6abd84-7841-4978-96f5-
bd58df02efa2/winxpvirtualcdcontrolpanel_21.exe
SDKのインストール Windows Vista編
 ここでは、広く配布が行われたWindows Vista β2を利用する場合の手順について解説する。

 Web Setupを行う場合、マイクロソフトのサイトからSetup.exeをダウンロードして実行する。その後、インストーラーが起動し、インターネットからダウンロードが行われる。ISOイメージファイルを持っている場合には、DVDディスクを作成するか、前述のマウントツールを使って、内容を読み出せるようにしておき、ルートディレクトリにあるSetup.exeを実行する。

 実行すると、インストールメニューが表示される。このとき、何をインストールするかを聞いてくるので、サイドバーガジェットだけを開発するなら、ドキュメント以外は特に必要ない。しかし、ほかのVistaプログラムなどを開発する場合には、必要なツールなどが違ってくる可能性がある。何をインストールするかは、それに依存する。何もわからないのであれば、とりあえずデフォルトのままインストールを開始すればよい。

 インストールが行われると、スタートメニューの「すべてのプログラム」に「Microsoft Windows SDK」という項目が追加されるはずである。
ドキュメントの参照
 サイドバーに関するドキュメントは、前記のスタートメニューにある「Windows SDK Documentation」に含まれている。これを起動させると、Visual Studio 2005と同じくDocument Explorerが起動する。

 サイドバーについては、目次内の以下の位置にドキュメントがある

\User Interface\Gadgets\Windows Sidebar

 サイドバーガジェット全般に関しては、以下のURLにある記事がよいだろう。
Gadget Development Overview:
http://microsoftgadgets.com/Sidebar/DevelopmentOverview.aspx
 また、DHTMLに関しては、MSDNのLibrary内にある「MSDN Library Archive」に記事が残っているようだ。
開発の手順
 サイドバーガジェットは、前述したようにHTML+JavaScriptで作ることができる。

(1)Gadgetの名前でフォルダを作成する
(2)そこにHTMLファイルやJavaScriptファイルを作成する
(3)gadget.xmlファイルを作成
(4)フォルダ自体をZIPまたはCabでアーカイブ
(5)作成したアーカイブファイルの拡張子を“.gadget”に変更する


 最小のGadgetは、HTMLで表示のみを行うものだが、この場合必要になるのは、

・表示用のHTML
・画像ファイルなど(HTML内のタグで参照しているもの)
・gadget gallery用のアイコンファイル(Vista様式)
・gadgetの名前やHTMLを指定したgadget.xmlファイル


が必要になる。スクリプトやCSSに関しては、HTML内に埋め込んでもかまわないし、通常の方法で別ファイルとしてもかまわない。

 各国語への対応だが、作成したフォルダ以下に地域、言語を表すロケール名と同じ名前のフォルダ(たとえば日本向けならja-JPなど)を作り、そこにHTMLやXMLファイルを置く。
Gadgetsのインストール
 ZIPまたはCABでアーカイブした.gadgetファイルの場合には、ファイルをWindows Explorerからダブルクリックするなどして実行させる(Windows Vistaでは関連づけができている)。

 フォルダのままで、フォルダ名の末尾を.gadgetとした場合には、Vistaの以下の場所にコピーする。

%USERPROFILE%\AppData\Local\Microsoft\WIndows Sidebar\Gadgets

 %USERPROFILE%は、WindowsVistaの起動ドライブ下の\Users\フォルダ以下にあるユーザーのフォルダを意味する。

ガジェットの追加ウィンドウ
ガジェットの追加ウィンドウ
 次にサイドバー上部にある[+]ボタンを押せば、ガジェットの追加ウィンドウが開く。ここに先ほど登録したガジェットが表示されるはずである。なお、ガジェットの数が多いときには複数ページに別れているので注意する。また、ここに登録したはずのガジェットが表示されないのは、なんらかの問題があるか、サイドバー自体の問題とも考えられる。タスクトレーにあるサイドバーアイコンから終了を選び、再度起動する。サイドバーはスタートメニューのアクセサリの下にある。
サイドバーのガジェットを自作しよう記事のPDF版
インプレスジャパンより発売された「Windows Vista完全攻略ガイド RC1」内の「サイドバーのガジェットを自作しよう」記事のPDF版です。サイドバーガジェットのプログラムにご活用ください。
サイドバーのガジェットを自作しよう(PDFファイル:1MB)
関連するWebサイトなど
実際のサイドバーガジェットのサンプルコードなどについては、9月に予定されているRC1対応のものの掲載を予定してる。ここでは現時点で参考になる関連リンクを紹介しておく。
Gallery
http://gallery.microsoft.com/
Microsoft Gadgets
http://microsoftgadgets.com/Build/
Gadgets Blog
http://microsoftgadgets.com/blogs/gadgetnews/default.aspx
Gadget Development Overview
http://microsoftgadgets.com/Sidebar/DevelopmentOverview.aspx
Forum
http://microsoftgadgets.com/forums/
MSDN Library
http://msdn.microsoft.com/library/
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